大阪・関西万博では、最先端のテクノロジーを生かした「未来の乗り物」が披露される。目玉事業の一つとされる「空飛ぶクルマ」は14日、大阪・夢洲の会場で開幕後初のデモ飛行が行われ、パイロットを乗せた1人乗り機体が離着陸場内の頭上をふわりと舞った。
デモ飛行は離着陸場「バーティポート」で行われ、操縦士が青や赤、白色で飾られた機体に乗り高さ約10メートルまで上昇。座席上部のプロペラ18枚で風を切り、前後左右に動いた。機体が自動で姿勢制御することで安全に飛べるといい、操縦士が空中で両手を広げる姿も披露した。
来場者はフェンス越しに見学し、大阪市の大学生光井遥紀さん(21)は「手を離して操縦できるとは驚いた。将来、普及するならぜひ乗ってみたい」と話した。
14日に飛んだ機体は丸紅が運航する米リフト・エアクラフト社製で、最大速度は時速約100キロ、飛行可能時間は約15分。デモ飛行は7月まで断続的に行うという。万博では他の事業者や機体もデモ飛行を予定する。
一方、一部で自動運転を行う電気自動車(EV)バス「イームーブ」は会場を走っており、来場者が有料で利用できる。開幕日に乗車した大阪府島本町の会社員桑原満さん(57)は「センサーやカメラで周囲を把握して運転しているのが車内の画面から分かり、最新技術を感じることができた」と満足そうだった。(岩崎昂志、杉山雅崇)