自治会関係者から避難支援に関する意見も出た神戸市防災会議=2月27日、同市役所
自治会関係者から避難支援に関する意見も出た神戸市防災会議=2月27日、同市役所

 2011年の東日本大震災を受け、国は災害時に自力避難が難しい「避難行動要支援者」の名簿を作成するよう市町村に義務付けた。ただ誰を要支援者とするかは自治体に委ねられ、定義は異なる。高齢化が進む中、頭を悩ませているのは「65歳以上の単身世帯」といった年齢要件を採用した自治体だ。神戸市では対象者が26万人超と膨大になったため、12年前に設けた定義の見直しを決めた。

 「現在の定義だと市民の5~6人に1人が該当する。この数に対応するのは現実的ではない」。計26万6千人(3月末時点)を「要援護者リスト」(要支援者名簿)に登録する神戸市の担当者が明かす。

 国は13年に災害対策基本法を改正し、要支援者名簿の作成を義務付けた。事前に本人の同意を得て自治会や自主防災組織などの団体に提供し、災害時には住民同士が助け合って避難してもらう仕組みだ。当時、多くの市町村が要介護度や身体障害者手帳の等級を基準に定義を決定した。