定例会見で質問に応じる兵庫県の斎藤元彦知事=11日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・大田将之)
定例会見で質問に応じる兵庫県の斎藤元彦知事=11日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・大田将之)

 兵庫県の斎藤元彦知事は11日の定例会見で、自らへの告発文を作成した元西播磨県民局長(故人)の私的情報が漏えいした問題を巡り、大学教授が知事ら3人を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で神戸地検に告発状を提出したことに関し「重く受け止める。詳細は把握していないが、漏えいの指示はしていない」と改めて関与を否定した。

 神戸学院大の上脇博之教授は10日、斎藤知事が昨年4月上旬ごろ、前総務部長に対し、元県民局長の私的情報を県議会に知らせるよう命じるか、唆すなどした疑いがあるとして告発状を提出。地検が受理するかどうかを検討している。

 斎藤知事は漏えいに関する指示や了承を否定しつつ、「捜査が進捗するのであれば、しっかり協力したい」と言及。県議会からは知事のさらなる説明や、追加調査を求める声が上がっているが、「代表質問でも説明はきちっとした。情報漏えいに関することは前総務部長の懲戒処分で、必要な調査や対応は終えている」と応じない考えを示した。

 斎藤知事は情報漏えいの管理責任を取るとして、知事給与を一部カットする条例改正案を開会中の定例会に提出しているが、議会側の不信感は強まっており、最終日12日の改正案の採決で、可否を判断しない「継続審議」となる見通し。

 斎藤知事は「最終的には議会の判断。継続審議にするのであれば、引き続き内容の審議をいただくことになる」と語った。(前川茂之、井上太郎)

=神戸新聞NEXTに会見の一問一答と動画=