沖縄戦を5歳で経験した山端立昇さん。「歴史や文化を通じ平和を伝えたい」と力を込める=大阪市西淀川区
沖縄戦を5歳で経験した山端立昇さん。「歴史や文化を通じ平和を伝えたい」と力を込める=大阪市西淀川区

 太平洋戦争末期、住民を巻き込んだ国内唯一の地上戦で20万人以上が犠牲となった沖縄戦の事実上の終結から、23日で80年。沖縄にルーツを持つ人が戦前から多く移り住んだ関西には、当時の惨状を記憶する人がいる。あらがえない風化のなか、国会議員が沖縄戦の慰霊展示説明を「歴史の書き換え」と発言するなど、後世に語り継ぐことの難しさにも直面している。(久保田麻依子)

 5歳の記憶はおぼろげだが、母に手を引かれ戦禍を逃げまどった日々は忘れていない。

 沖縄本島の東側に位置する南大東島出身の山端立昇さん(85)=大阪市西淀川区=は、1941(昭和16)年に親類を頼って一家で大阪に移住した。その2年後、空襲から逃れるため母と二つ違いの弟と沖縄本島に疎開した。