スズムシの飼育を通して命の大切さを伝えてきた「神戸新聞鈴虫学校」が7月21日、加古川市での開催を最後に半世紀の歴史に幕を下ろした。最盛期は兵庫県内7カ所で開かれ、世話役(校長、副校長)として携わった増田忠司さん(88)=加古川市=は「スズムシおじさん」の愛称で親しまれた。体力的に継続が難しくなり「閉校」したが、増田さんは本紙イイミミに「飼育歴は生きていく限り続くでしょう」と投稿し、変わらぬスズムシへの愛情を寄せている。(斎藤 誉)
増田さんは加古川東高校卒業。幼少期から生き物を飼うのが好きで、高校時代は生物部に所属し、後に鈴虫学校を一緒に運営する恩師の故豊田喜唯さんと出会った。スズムシの飼育は銀行員時代の1964年に始めた。姫路市網干区の支店に勤務していた頃で、得意先から譲ってもらったのがきっかけという。
■一時期は県内7カ所