阪神・淡路の復興応援キャンペーンで作られたとみられる電車のヘッドマーク=神戸市中央区脇浜海岸通1
阪神・淡路の復興応援キャンペーンで作られたとみられる電車のヘッドマーク=神戸市中央区脇浜海岸通1

 阪神・淡路大震災で鉄道が受けた被害や生活への影響を紹介する特別展が、人と防災未来センター(神戸市中央区脇浜海岸通1)西館1階ロビーで開かれている。激しい揺れで脱線した阪神電車の車両の写真や、倒壊したJR六甲道駅の駅舎を描いた絵画など約20点を展示する。11月3日まで。

 同センターは阪神・淡路に関連した約20万点の資料を所蔵。交通インフラへの影響を伝え、防災意識を高めてもらおうと資料を活用した特別展を企画した。

 駅舎が崩壊した阪急伊丹駅やJR神戸線の曲がった線路など、甚大な被害を伝える写真が並ぶ。鉄道が止まったため山陽電鉄の線路の上を歩いて通学する学生の姿や、代行バスの到着を待つ利用客の列など、日常と異なる風景を記録した写真も目を引く。

 復興応援キャンペーンの一環で作られたとみられる電車のヘッドマークも展示。鉄道の被害を記録した映像を編集した約30分の動画をつくり、会場やユーチューブで公開している。

 同センター震災資料専門員の朴洸弘さん(31)は「震災はそれまでの当たり前が失われる。被災者にとって電車の再開が復旧の象徴だったことも資料から読み取ってほしい」と話した。

 午前9時半~午後5時半。無料。月曜休館(祝日の場合は翌日)。同センター資料室TEL078・262・5058(田中宏樹)