生産者の作業風景を撮影する高橋智恵さん(左)=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区(2025年8月、高橋さん提供)
生産者の作業風景を撮影する高橋智恵さん(左)=パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区(2025年8月、高橋さん提供)

 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって2年が過ぎた。米トランプ大統領が示した和平計画の交渉は始まったが、その行方は分からない。パレスチナ自治区ガザでは6万7千人超が犠牲になり、同自治区のヨルダン川西岸でもイスラエルによる入植が住民を苦しめる。その西岸地区にこの夏、川西市出身の女性が向かい、戦争がもたらす現実に向き合った。

 神戸大学在学中の滞在経験をきっかけに、フェアトレードブランド「架け箸」を2020年に設立した高橋智恵さん(28)。西岸地区の生産者と取引し、オリーブの木でつくった箸や、パレスチナ刺しゅうの商品などを販売してきた。

 ハマスがイスラエルを襲撃したのは23年10月7日。イスラエルはハマスの壊滅と人質の奪還を掲げ、大規模な反撃を始めた。