1月に死去した元兵庫県議の竹内英明氏をデマで中傷したとして、県警に9日に逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者。逮捕の2週間前には中東ドバイへ渡航したほか、翌10日には新たな注目選挙への立候補を表明予定だった。交流サイト(SNS)では「海外渡航に慌てて逮捕したのか」「出馬阻止ってこと?」などと臆測が広がるが、捜査関係者は「タイミング的に無関係」と否定している。
県警捜査2課が立花容疑者を逮捕したのは9日未明。堺市内の駐車場で身柄を確保し、名誉毀損(きそん)容疑の逮捕状を執行した。
立花容疑者は、逮捕前の10月27日深夜、自身のX(旧ツイッター)に「ドバイに飛びます」と投稿。実際にドバイへ渡り、30日に帰国したと投稿している。
また31日の記者会見では、学歴詐称疑惑で市長が失職した静岡県伊東市の市長選(12月7日告示、14日投開票)に立候補する意欲を示し、11月10日に正式表明の会見を開く予定だった。
こうした中で逮捕されたことで、SNS上では「偶然なのか」「ぷんぷん臭う」などといぶかる投稿が相次いだ。
捜査当局がドバイ渡航を「海外逃亡の予兆」と捉えて在宅捜査から急きょ方針を変えたのではないかという声や、注目選挙で立花容疑者の「主張」が広まるのを防ぐために逮捕したのではないか、という観測も飛び交った。一部メディアや法曹関係者でも同様の見方が示されている。
だが複数の捜査関係者は、こうした言説について「ドバイ渡航や伊東市長選は、逮捕の方針決定には関係ない」と否定している。
大きな根拠となるのはタイミングだ。県警は遅くとも10月27日より前に逮捕の方針を固め、その後に容疑者がドバイへ渡航することを把握したため、「逃亡の恐れ」も加味して逮捕状を請求したとみられる。
さらに捜査関係者によると、県警は立花容疑者が「情報源」に挙げた関係者らの証言が「容疑を裏付ける重要な証拠」になるとみており、依頼や威迫などによって関係者と口裏合わせして証拠隠滅を図る恐れがあると判断。こうした事情が逮捕の決断に至った「主な理由」という。
捜査関係者への取材では、立花容疑者は逮捕後の調べに「発言したことは間違いない」と述べ、文言自体については争わない姿勢を示している。弁護人は11月12日の取材に対し、認否や主張については「ノーコメント」としている。
























