神戸地裁=神戸市中央区橘通2
神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 1月に神戸市北区の特定抗争指定暴力団神戸山口組の組長宅で起きた火災で、建造物等以外放火と銃刀法違反(加重所持、実包所持)などの罪に問われた浜松市の無職の男(75)に対する判決公判が14日、神戸地裁であり、大西直樹裁判長は懲役8年(求刑懲役10年)を言い渡した。

 判決などによると、1月19日午後6時20分ごろ、神戸市北区の神戸山口組長宅敷地に侵入。ガソリンをまいて火をつけ、車2台を焼くなどしたほか、拳銃1丁と適合する銃弾2発、不発銃弾18発を所持した。

 裁判では弁護側が、拳銃は使用不能で「銃刀法違反の事実はない」と一部無罪を主張。判決で大西裁判長は、兵庫県警科学捜査研究所による鑑定結果から「拳銃は試射を繰り返すことで発射機能が安定した」とし、機能回復した拳銃の威力は殺傷できる程度で「拳銃に該当する」と判断した。

 組長殺害で対立組織を解散させようと決意した経緯などについて触れ「極めて強固な犯意に基づく計画的な犯行。暴力団特有の反社会的な動機で強い責任非難は免れない」と述べた。