政府が医師の技術料や人件費にあたる診療報酬「本体」部分の大幅引き上げを決めた2026年度の改定。3・09%の引き上げ幅は30年ぶりの高水準だが、兵庫県内の医療現場からは「コスト増加分には到底足りない」とする声が上がる。しかし診療報酬アップは、社会保障費増大に直結する。患者の窓口負担も増えることも踏まえ、識者は「妥当な上げ幅」とみている。
■社会保障費、患者の窓口負担も増
診療報酬は本体と薬価で構成され、原則2年に1度改定される。直営の全10病院が経常赤字を出した兵庫県病院局は、「薬価」部分のマイナス0・87%も加味して経営への影響を試算。仮に24年度に適用した場合、経常赤字額の約128億円は約31億円分減らせることが分かった。だが、もし診療報酬だけで収支均衡にするには、本体部分で10%近くの引き上げが必要で、7%近く「足りない」という。病院局トップの杉村和朗病院事業管理者は「この1年の人件費の上昇相当分はみていただけたが、物価高騰分を補塡するには届かない」と話した。
























