赤穂市民病院=2025年10月、赤穂市中広
赤穂市民病院=2025年10月、赤穂市中広

 赤穂市役所で働く非正規の「会計年度任用職員」約130人が、任期切れの来年3月末をもって再任用されず、「雇い止め」となる見通しであることが分かった。赤字続きの赤穂市民病院が「公設民営」の指定管理者制度に移行するのに伴い合理化を進め、市民病院の正規職員100人余りを市役所に異動させるための対応。大量の非正規職員が市役所から押し出される異例の事態になる。

 赤穂市民病院は来年4月1日から、医療法人「伯鳳会」(同市)が指定管理者となる。伯鳳会が運営する「赤穂中央病院」と実質的な経営統合を行う。両病院の病床数を縮小し、人材配置も見直す。市民病院は「公立赤穂中央市民病院」に名称が変わる。

 新病院で働く職員は伯鳳会の採用となり、公務員ではなくなるため、市は市民病院の職員を対象に意向調査を重ねてきた。今年6月末の段階で、対象の508人の54%にあたる274人が病院への残留を希望。一方、104人の正規職員が公務員として市役所に転任することを望んだ。

 これを受け、市は現在雇用している会計年度任用職員約550人のうち、保育士や幼稚園職員などの資格職や、正規職員では代替が難しい短時間勤務職員を除き、市役所の事務を中心とする約130人について来年度は再任用しない方針を示した。任用職員は一般的に4月から翌年3月末までの単年度ごとの契約となっている。

 市によると、正規職員と任用職員を合わせた職員数は約1100人。再任用しない約130人は任用職員の約2割で、ほぼ女性という。

 非正規の50代女性は「4月に来春の契約更新がない可能性を伝えられていたが、転任希望者数が明らかになり、指定管理者も正式に決まって(雇い止めが)いよいよ現実的になった。大学受験を控える子どもがいるが、私の年齢だと再就職先は限られる」と嘆く。

 溝田康人副市長は7月末の再就職支援説明会で「これまで市政を支えてくれたことに感謝している。このような形で雇用を継続できなくなることは大変心苦しく、申し訳ない」と謝罪した。(桑名良典)

 【赤穂市民病院と赤穂中央病院の経営統合】 赤穂市は昨秋、赤字経営が続く赤穂市民病院(同市中広)の経営形態を見直し、2027年4月から公設民営に切り替える方針を表明。赤穂中央病院(同市惣門町)の経営母体である医療法人「伯鳳会」に運営を委ねることを決めた。赤穂中央病院は外来診療を終えて療養型に特化。市民病院は「公立赤穂中央市民病院」に改称し、外来診療や急性期病床を集約する。