親子鷹で駆け抜けた3年間だった。バスケットボールの全国高校選手権に女子の兵庫代表として出場した三田松聖の初谷洋志監督(52)と、その長女で主将の一葉(18)。2回戦で敗退した24日、会場の東京体育館前で父は娘を抱きしめ、照れながら言った。「こんなんいつぶりやろうか」
県予選で初めて取材した時から、2人の間には独特の緊張感があった。父は娘をコートネームで呼び、娘は「初谷先生」と呼ぶ。寮生活を送る娘に「あまり帰ってくるな」と言っていた父は、帰省しても「極力名前を呼ばないようにしていた」と監督の顔を貫いた。