東京V-神戸 前半、CKから東京Vにネットを揺らされ、抗議する神戸イレブン。判定が変わって得点なしとなった=東京・味の素スタジアム
東京V-神戸 前半、CKから東京Vにネットを揺らされ、抗議する神戸イレブン。判定が変わって得点なしとなった=東京・味の素スタジアム

 明治安田J1リーグ第10節第2日の12日、ヴィッセル神戸は東京・味の素スタジアムで東京ヴェルディと対戦し、汰木康也の今季初得点で1-0で勝った。神戸は2試合ぶりの白星で、通算3勝3分け3敗の勝ち点12とした。

 けがからの再起を期すアタッカーが、待望のゴールで勝利に導いた。後半6分、宮代がドリブルで持ち込み、左のエリキにスルーパス。その折り返しに汰木が右足を振って先制した。汰木は「チャンスをものにできてほっとした。すごく大きな勝ち点3」と語った。

 昨季長くけがに苦しんだ汰木は、2月のアジア・チャンピオンズリーグ・エリート1次リーグ、上海海港戦で1得点1アシストと躍動。だがJ1開幕戦の浦和戦でいきなり負傷し、離脱した。

 悔しさを抱えながら復帰に向けてリハビリに励み、直近3試合連続で先発。この日は開始早々、相手守備を崩してフリーでシュートを放ったが、左にそらしていた。「あれを外すかっていう。引きずってしまった」。前半はこれが最大のチャンスだっただけに先行きが危ぶまれたが、後半最初の好機をしっかり仕留め、「迷惑をかけた。チームメートのおかげ」と感謝した。

 度々のピンチは守備陣が踏ん張った。前半終了間際、相手のCKから混戦で押し込まれたが、攻撃側のファウルで取り消しに。さらに強烈なミドルシュートをGK前川がはじいた。先制後の後半、相手のスルーパスで完全に抜け出されたが、相手FWとの1対1を再び前川が好セーブで防ぎ、難を逃れた。

 最下位の新潟に初勝利を献上してから中5日。吉田監督は「やってやるぞという本当に強い気持ちがないと、何をやってもうまくいかない」と精神面を最重視した。攻守の切り替えの速さと強度、チームの共通認識を高め、何とか敵地で勝ち点3をもぎとった。