サッカーの天皇杯全日本選手権は16日に準決勝2試合があり、2大会連続3度目の優勝を狙うヴィッセル神戸は、大阪・パナソニックスタジアム吹田でサンフレッチェ広島と対戦し、永戸勝也と佐々木大樹が得点して2-0で下した。FC町田ゼルビアは延長戦の末に2-0でFC東京を破り、初の決勝進出。神戸と町田の決勝は22日午後2時、東京・国立競技場で開かれる。
J1屈指の高強度のぶつかり合いを制した。神戸が好調の広島を退け、天皇杯連覇に王手。流れを引き寄せたのは、鍵として挙げていたセットプレーだった。
前半24分、広瀬の右CKを起点にニアの空中戦で相手を引き寄せ、遠いサイドの後方にこぼれたボールを、フリーの永戸が左足ミドルでゴール右隅にたたき込んだ。味方を引き連れ、ベンチに向かって勢いよく駆け出した。
永戸は6月に横浜Mから完全移籍で加入し、昨季まで主力の初瀬が抜けた左サイドバックの穴をすぐに埋めた。「結果を求めてここに来た。優勝への力になれるように」と言い、正確なキックを武器に好機を生み、この日は移籍後の公式戦初ゴールを挙げた。
さらに後半20分ごろ、武藤が倒されてPKを獲得。途中出場した大迫が左に蹴ったが、広島のGK大迫に阻止された。だが、相手の反則で蹴り直しとなると、キッカーを佐々木に変更。同じ左に鋭く蹴って決めきると、何度もほえてサポーターをあおった。
吉田監督が「バチバチの肉弾戦になる」と想定した通りの戦いに。負傷明けで公式戦1カ月半ぶりの先発となった酒井らは激しいプレーを見せ、相手のクロスやCKを阻むなど最後までゴールを死守した。J1の3連覇を逃したばかりだが、唯一可能性が残るタイトルへの執念を見せた。
神戸は初戦の2回戦でJ3の高知ユナイテッドSCに4-1で大勝発進。3回戦はJ2のヴァンフォーレ甲府に2-1、4回戦は東洋大に2-1でともに延長戦の末に辛勝した。準々決勝はJ3のSC相模原に1-1からのPK戦(4-2)を制して勝ち上がった。
























