但馬

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電動バイクツアーを手掛ける大林大悟さん(右)=豊岡市城崎町湯島
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電動バイクツアーを手掛ける大林大悟さん(右)=豊岡市城崎町湯島
子ども向けキャンプで体験できるたき火料理の例=かんなべ自然学校提供
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子ども向けキャンプで体験できるたき火料理の例=かんなべ自然学校提供

 新型コロナウイルスの感染拡大でこの1年、観光業は大きな打撃を受けたが、兵庫県の但馬地域では密集を避けながら豊かな自然を楽しむ、新たな観光の形ができてきている。個人や家族など小さな単位でアウトドアを楽しみたいというニーズが高まる中、キャンプや電動バイクを使った景勝地巡りなどで、地域の魅力を存分に味わってもらう試みが広がる。(阿部江利)

 1人での「ソロキャンプ」や、家族でのキャンプなどの企画を充実させるのは、神鍋高原を拠点にアウトドア体験などを手掛けるNPO法人「かんなべ自然学校」(豊岡市日高町名色)。昨年春から丸1年、活動をほぼ休止し、3月上旬から少しずつ再開している。

 同法人は2013年に発足。子どもが親元を離れて過ごすキャンプや渓流・雪原ツアーなど、さまざまな自然体験を提供している。昨年夏に子ども向けのソロキャンプを企画したが、新型コロナで無症状患者が確認されたことなどから断念。安心して開催できる条件がそろうまで待ちながら、内容に磨きをかけてきた。

 企画再開の第1段は、小学生以上の子どもを対象とする「初めてのソロテント泊」。キャンプをしながら、2泊3日で鍛冶職人にものづくりを学ぶ(3月26~28日)企画や、1泊2日でたき火料理ができるプラン(4月3、4日)などを打ち出した。家族向けは、以前は開催日を限定していたが、受け入れを従来の半分の1日3組に減らし、手ぶらで、いつでも申し込みできるようにした。大人向けのソロキャンプもある。

 前田敦司代表(36)は「今あるノウハウを、形を変えて提供する。自然の中で自分や家族とゆっくり向き合いたいという思いに応えたい」と意気込む。

     ◇

 香美町出身の元旅行会社社員、大林大悟さん(41)が約1年前に創業した旅行会社「たびぞう」(豊岡市戸牧)は昨年7月、城崎温泉街と周辺の景勝地を電動バイクで巡るツアーを始めた。今春には、神鍋高原や天橋立(京都府宮津市)で同様のツアーを始める。

 創業わずか3カ月でコロナ渦に直面し、売り上げがゼロになった中で始めた新事業だが、昨年7~11月に約340人が利用し、同9~11月は黒字を確保した。

 旅行者のニーズを把握して、受け入れる地域がつくる「着地型観光」で、同温泉街で外国人観光客に人気だったサイクリングツアーを日本人向けに改良した。ガイドは同行せず、客自身が自分で行き先を決め、寄り道や写真撮影を楽しみながら目的地を目指す。

 天橋立では地元観光協会などと連携し、3月から試験運用を始めた。現在、クラウドファンディングで電動バイクの購入費を募っている。大林さんは「『密』を避け、気軽に自然を楽しみたい人に何が提供できるかを考えた。必死だったが、新しい市場が開拓できた」と話す。その上で「天橋立と城崎は観光客の行き来も多く、相乗効果が期待できるはず」と力を込めた。

     ◇

 子ども向けソロキャンプは1泊2日が1万4千円、2泊3日が2万6千円で、各回先着15人。大人向けは1泊2日で2万4千円。家族向けのキャンプは1組(5人まで)5万5千円。同法人ホームページから申し込む。同法人TEL0796・20・3541

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