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「夢、市民に伝わらず」 豊岡市長選、落選の中貝氏が会見

2021/04/28 05:30

 兵庫県豊岡市役所で27日、退任会見を行った中貝宗治市長(66)。旧豊岡市から通算5期20年、まちのかじを取った。会見では、市長選落選を受けて反省の弁を述べるとともに「『民』の立場でまちづくりをする」と晴れやかな表情も見せた。

 -選挙を振り返って。

 「僅差とはいえ、民意を素直に受け止める。私の見えていたもの、見えていなかったものがあった。リーダーとしてコミュニケーションに問題があった。夢を描いて目の前の大きな危機に対処するという考えが十分に伝わらなかった」

 -20年で印象深いことは。

 「(コウノトリ野生復帰事業で)2005年に放鳥したときに『やったー』と喜んだことを思い出す。それと(04年の台風23号による)大水害。今でも思い出すとつらい。国土交通省のヘリで上から見て、『僕の大切なまちにこんなことしやがって、こんちくしょー』と思った。まちの防災とともに、他の被災地への支援につながっている」

 -演劇のまちづくりや自身の今後は。

 「演劇のまちづくりは行政だけでやるものではない。市の関与は薄くなるだろうが、民ががんばればすむこと。私自身は、民の立場で豊岡が日本や世界の手本になるようなまちづくりをやる。まちの可能性を信じてくれている人たちと一緒になってやっていきたい」

 「専門職大学の学生もエネルギーが半端ない。目的意識を持って遠くから来てくれた。一緒にやるよという姿勢、うねりをつくれれば私の落選は良かったということになるのではないか」

 -市民へメッセージを。

 「緊急事態宣言の真っ最中。新しい市長のもとで職員と一緒に乗り越えていただきたい。危機を乗り越えればその先に希望と未来がある。信じてがんばりましょう」(石川 翠)

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