但馬ビーフなどの食と、音楽を楽しむ「ハチ北ミュージックフェス２０２１」が２０日、兵庫県香美町村岡区大笹のハチ北高原スキー場で開かれた。東京や関西を拠点とするミュージシャンやバンドなど約１０組が出演。新型コロナウイルス禍が続く中、訪れた人たちは、緑豊かな自然と、風に乗って響く歌声やメロディーにひととき、身も心もリラックスさせていた。

　地元の民宿経営者ら若手有志でつくる実行委員会が２０１７年から主催し、今年で４回目。昨年はコロナ禍で中止となったが、今年は台風の影響を受けやすい秋から初夏に季節を変え、定員を約３００人に制限するなど感染症対策を徹底して開催にこぎ着けた。

　晴れ渡った空の下、オフシーズンのゲレンデに設けられたステージでは、姫路市のご当地アイドル「ＫＲＤ８」や、多彩なジャンルのミュージシャン、ＤＪたちが熱演。会場は、リズムに乗って体を動かし、歌詞を口ずさむファンや、芝生にシートを敷いて寝転ぶ家族連れなど、思い思いに楽しむ人たちであふれた。

　また周辺には、但馬ビーフや香美町特産のスッポンを使った料理の販売ブースも並び、にぎわった。初回から欠かさず来ている朝来市の男性（５４）は「ノンアルコールビールを飲みながら、少しずつ気持ちを高めたい」とお気に入りのバンドの出演を今か今かと待った。

　かつて上京してミュージシャンを志したという実行委員長の西村智洋さん（４１）は「屋外で開放感を味わえるイベントが、何かの兆しになれば。来年こそはコロナ禍が収まって通常通り開催できるといい」と話していた。（金海隆至）