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無線施設ボル・デメ=但馬空港
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無線施設ボル・デメ=但馬空港
但馬空港ターミナルの桐山徹郎社長(前列右端)から賞状を受け取る最優秀賞受賞チームのメンバー=芸術文化観光専門職大学
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但馬空港ターミナルの桐山徹郎社長(前列右端)から賞状を受け取る最優秀賞受賞チームのメンバー=芸術文化観光専門職大学

 但馬空港(兵庫県豊岡市岩井)で昨春から使われていない無線施設「VOR・DME(ボル・デメ)」を新たな観光資源にしようと、同市にある芸術文化観光専門職大学の学生と豊岡総合高校の生徒計約80人が、アイデアを関係者に提案した。天体観測ができるような施設に改築する案を示したチームが最優秀賞に選ばれた。(石川 翠)

 ボル・デメは、飛行機が正確な航空路を飛べるように、無線で方向や距離を知らせる施設で、飛行場に設置されているが、近年は衛星利用測位システム(GPS)で運用できるようになり、同空港では老朽化もあって昨年3月に廃止された。撤去に費用がかかり、高台で眺望もいいことから、但馬空港の運営会社「但馬空港ターミナル」が、観光資源としての活用を検討。企画案を出してもらおうと両校に持ち掛けた。

 参加者は昨年10月に現地を見学し、直径30メートル、高さ15・5メートルの大きな構造物を間近で見て、階段で半分の高さまで上って景色も確認。大学生8グループ、高校生5グループに分かれて、11月から検討を進めてきた。

 各チームはパワーポイントを使って発表。「旅する本」と銘打ち不要な本を持ち寄って貸し借りする場所にする案や、3階は星空を見ながらリラックスできる空間、2階は飛行機が欠航した際などに利用できるホテル、1階は地元住民が出店できる飲食スペースにする案などが出た。

 同大学の川目俊哉副学長は「人が笑顔で楽しんでいるのか、真剣な表情で何かに取り組んでいるのか、企画がどのようなシーンを作り出すのかも考えてみて」と講評した。

 最優秀賞に輝いたチームは「天体観測」をテーマに星空が見えるカフェにするアイデアなどに加え、冬は雪かきをすれば割り引きし、費用はクラウドファンディングや地域振興を後押しする補助金を活用するなど、資金調達や事業運営の具体的な手法も考えていた。

 同大学の学生(20)は「都市部出身のメンバーにとってきれいな星空は特別で、星を見ることを中心に考えようとなった。堅実すぎたかなと思ったけどよかった」と喜んだ。

 同高2年の生徒(17)は「大学生のネーミングセンスやプレゼン方法などに引きつけられた」と話していた。

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