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昨年10月に無人化されたJR香住駅=香美町香住区七日市
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昨年10月に無人化されたJR香住駅=香美町香住区七日市
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昨年10月に無人化されたJR香住駅=香美町香住区七日市

 JR西日本が11日発表した管内ローカル線の収支状況で、兵庫県但馬地域の播但線(和田山-寺前間)と山陰線(城崎温泉-浜坂間、浜坂-鳥取間)はいずれも赤字だった。沿線の観光関係者や住民からは「上下分離方式」に伴う地元への負担増や採算改善に向けた減便などを心配し、地域経済や利便性への配慮を求める声が上がった。(小日向務、長谷部崇、末吉佳希)

 朝来市観光協会は、新型コロナウイルスの収束後を見据え、昨秋からインバウンド(訪日外国人客)の誘致を強化する方策を検討してきた。姫路市の世界遺産・姫路城や豊岡市の城崎温泉など周辺の観光地などとの連携を模索する。大阪や京都と結ぶ周遊ルートを定めて「PRしていきたい」という。

 同協会の吉原剛史さんは「インバウンドの誘致には鉄道など公共交通は欠かせない。貸し切り列車などと組み合わせたサイクルツーリズムも考えており、影響がないか不安だ」と話す。

 香美町香住観光協会の浜田義夫会長(74)は「山陰線の減便が今後エスカレートしていくのでは」と懸念する。

 昨年10月に香住駅が無人化し、乗客が時刻表や切符の買い方を駅前の観光案内所に尋ねることが増えたという。「無人になって駅のイメージも低下している。減便となれば、観光客の足が遠のく」と不安がる。

 香住旅館組合の清水浩仁組合長(67)も「特に冬のシーズンは鉄道利用の宿泊客が多く、現状を維持してもらわないと困る」と強調した。

 新温泉町では、高齢者や中高生ら「交通弱者」の配慮を求める声も上がる。高齢旅行者の人気が高い湯村温泉(同町湯)では山陰線経由の来訪者もあり、湯村温泉観光協会の朝野泰昌会長は「近年の免許返納の流れで鉄道路線を頼る人が増えることが予見され、山陰線は観光に不可欠」とする。

 豊岡市内の高校に息子を通わせる男性保護者(46)は、近年のダイヤ改正による減便で、同居する祖父母に送迎を依頼することが増えたという。「これから進学を考える子どもたちの選択に影響が出ないか」と不安がる。

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