兵庫県但馬水産事務所は、但馬地域の漁船による沖合底引き網漁業の2021年度漁期(21年9月~22年5月)の水揚げ状況をまとめた。出漁隻数の減少、ズワイガニやハタハタの不漁などが重なって、漁獲量は8047トン(前年度比11%減)と過去10年で2番目に少なかったが、ほとんどの魚種で1キロ当たりの単価が上昇。漁獲金額は84億113万円(同4%増)と過去10年で最高だった。(長谷部崇)
出漁隻数は、漁師の高齢化に伴う廃業などを理由に前年度から4隻減って40隻にとどまった。延べ航海数は3121回(同12%減)で、いずれも過去10年で最少だった。
稼ぎ頭のズワイガニは、漁獲量が528トン(同31%減)と落ち込んだ。カニの輸入減などで供給が減ったことから、1キロ当たり単価が前年度比で約4割増となり、漁獲金額は50億2487万円に。前年度を4%下回ったが、漁獲量の下落幅よりは緩やかだった。
全国トップクラスの水揚げを誇るハタハタも記録的な不漁に見舞われ、漁獲量は906トン(同46%減)、漁獲金額は2億5544万円(同27%減)と、いずれも大きく落ち込んだ。
豊漁だったのはホッコクアカエビ(アマエビ)で、漁獲量は932トン(同22%増)。こちらも、エビの輸入減などで1キロ当たり単価が前年度比1・5倍に跳ね上がり、漁獲金額は10億3668万円(同84%増)と、但馬の主要魚種であるホタルイカを上回った。
ホタルイカの漁獲量は3999トン(同0・2%減)、漁獲金額は9億6780万円(同14%増)だった。