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競りに並んだハタハタ。不漁で単価が跳ね上がっている=柴山港
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 9月に兵庫県但馬地域の港で水揚げされたハタハタの漁獲量が、近年で最も少ない10トンにとどまることが、県但馬水産事務所のまとめで分かった。山陰沖で秋に取れるハタハタは秋田沿岸由来の群れとされ、東北や北陸でも漁獲量が減少しているという。(長谷部崇)

 但馬はハタハタの一夜干しの巨大産地。主な漁期は4、5月と9月で、全国屈指の水揚げ量を誇る。

 沖合底引き網漁(9月~翌年5月)解禁前の8月、県但馬水産技術センターが山陰沖で実施した試験操業では、水深240メートルより浅いポイントで網に入ったハタハタは過去10年平均の2割にとどまり、2005年以降で最も少なかった。最も取れるはずの1歳魚が極端に少なかったという。

 国立研究開発法人水産研究・教育機構の藤原邦浩主幹研究員によると、日本海には秋田県沿岸と朝鮮半島東岸にハタハタの二大産卵場があるが、秋田の産卵数がこの15年ほどで激減し、「危機的な状況」という。

 秋冬に漁期を迎える日本海北部(青森から富山まで)のハタハタは、秋田の産卵場に由来する群れ。日本海北部では10年ごろまで年間3千トン以上の水揚げがあったが、20年は1028トンまで落ち込んでいる。

 山陰沖で秋に取れるハタハタも秋田由来の群れとされる。9月に但馬の港で水揚げされたハタハタはわずか10トン。記録的不漁だった昨年同期(26トン)も大幅に下回り、1キロ当たりの単価は6割増の854円に跳ね上がった。一方、春のハタハタ漁は但馬でも比較的好調で、この群れは朝鮮半島由来という。

 今季は昨年並みの不漁が予測され、漁業者が早々に見切りをつけた影響もありそうだ。柴山港(香美町香住区沖浦)の沖合底引き網漁船「西善丸」の西村佳典船長(50)は「ハタハタが全然いない。漁業者は、代わりに今年相場がよいアカエビや、カレイを狙いに行っている」。

 ハタハタの干物が主力商品という丸松西上商店(同区若松)の西上和宏専務(33)は「春に加工製造した分の在庫があるものの、秋に補充できないのは痛い。冬場に土産物として需要がある大きいサイズが足りない」と話した。

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