水田で羽を休めるコウノトリ=豊岡市内(河合美智子さん撮影)
水田で羽を休めるコウノトリ=豊岡市内(河合美智子さん撮影)

 梅雨が明けて、いよいよ夏本番。移住する際、冬の寒さには覚悟を持って臨んだのですが、兵庫・豊岡の夏がこんなに暑いとは知らず、最初の年は度肝を抜かれました。でも、それもだんだん体のほうが慣れてくるんですね。

 都会にいるときは季節の移り変わりがぼんやりとどこか締まらなかったので、四季がはっきりしているのは気持ちがいいです。田植えも済んで、一年中でいちばん緑が輝くこの時期は、特に但馬の生命エネルギーを感じます。そしてその緑に映えるコウノトリを見かけるたび「良いことがありそう」とウキウキします。

 「ここは但馬(豊岡)コウノトリ翔ける郷」という看板も、よくよく考えるとすごいですよ。幸せの象徴であるコウノトリが生活の中に普通に存在しているなんて。都会で見かけるのは、カラスやスズメくらいでしたから、羽を広げると2メートルほどにもなる大きなコウノトリはもう別格というか神々しい存在です。

 観光客だった頃は、大いなる勘違いで、シラサギに興奮し、大谿川のアオサギを連写したりしましたが、今となれば一目瞭然。何で間違えたかなぁ…(笑)。一度は絶滅したものの豊岡で野生復帰を果たしたコウノトリ。勝手に自分の境遇と重ねて勇気をもらっています。