兵庫県豊岡市の津居山港にある灯台が、数年前から「ピサの斜塔」のように傾いている。
「津居山港港口西導流堤灯台」。舞鶴海上保安部によると高さ10メートルのコンクリート製で、1949年に建てられた。数年前から灯台が立つ基礎部分が傾き、点検などで灯台に登る作業を中止。灯台の屋上には、約10キロ先まで光を放つ「灯器」があるが、光が斜めに飛ばないよう灯器の基礎にコンクリートを足して水平を保っているという。
港の入り口にある灯台の色は、海から港に向かって右側が赤い灯台、左側が白い灯台と決まっており、同灯台は赤灯台。地元の70代の男性漁師は「年々傾いているように見える」と話した。ただ、舞鶴海保によると、倒壊の危険はないという。
潜水調査では、灯台周辺の堤防「導流堤」に損傷がみられたという。県は本年度から導流堤の修繕工事に着手し、灯台の基礎部分も含めて復旧する予定で、海保もそれに合わせて灯台を新調する方針。(長谷部崇)