兵庫県豊岡市中陰のかばん用生地の企画卸売業「ウインビー」は、女性用下着のブランド「オンユーモア」を立ち上げ、オリジナル製品を販売している。乳がんの治療を経験した女性役員が「体を締め付けず、きれいにまとえるノンワイヤのブラジャーがほしい」と発案した。在庫のかばんの生地を一部に使い、狙ったフィット感を実現したという。(阿部江利)
同社は1987年、同市泉町のかばん素材メーカー「浮田産業」の生地加工などを担う事業部がグループ内で独立して設立された。ウインビーで長く事務や経理を担当した執行役員の山本しのぶさん(48)は2019年、検診で乳がんが見つかった。
腫瘍を摘出する手術は成功したが、再発を防ぐ放射線治療などで皮膚が傷み、発症前に使っていたワイヤ入りブラジャーが使えなくなった。思い通りの服装ができず、病気への心配も加わり、ふさぎ込む日が続いたという。
治療が一段落した後もワイヤ入りブラは苦しく感じられた。「美しくありたいが、我慢するのはしんどい。病気の有無を問わず、同じ悩みの女性はいるはず」と一念発起し、20年に自ら開発を始めた。
新型コロナウイルス禍の最中だったが、かばん業者を通じて下着の縫製ができる栃木県の工場を紹介してもらった。型を作る技術者と話し合いを重ね、ワイヤに頼らず補整力を担保できる仕組みを完成させ、23年に販売を始めた。
特許出願中の「バナナボート構造」は、軽く丈夫なかばんの生地を一部に使い、ハンモック状に胸を支える。部品は41種に及び、手作業で縫製する。山本さんは「かばんの素材をランジェリーに使うのは業界初では」とみる。
ターゲットは40代以上の女性で、宝塚市の会社が手がける高級レースを使う。肌に触れる部分はオーガニック素材で仕立てた。ブランド名には「あなたのそばで人生をもっと快適に」という思いを込める。
山本さんは、病気の経験者に限らず多くの人が身に着けたくなる製品を目指したといい「下着一つで前向きになれる。優しい使い心地で女性を応援したい」と話している。
レースのノンワイヤブラは5色、3サイズを用意し、1万8480円など。ウインビーTEL0796・23・1189























