年齢に1万円を掛けた金額を寄付する会社経営者の輪が、兵庫県高砂市で広がりつつある。寄付を受けた同市は園児や小中学生のために役立てている。50代と70代の計4人がこのほど高砂市役所を訪れ、地元への恩返しの思いを込めて、都倉達殊市長に目録を手渡した。(笠原次郎)
高砂市の建設会社「播磨環境管理センター」の青柳(あおやなぎ)進会長(76)=同市=は2017年に旭日双光章を受けたのを機に「地域に恩返しを」と、18、19年に市に100万円ずつ、20年以降は年齢に1万円を掛けた金額を寄付してきた。
15日に誕生日を迎えた青柳さんは、今回の76万円を加えると寄付総額は498万円に。76万円は、市内の全小学校に向けた防犯ブザー800個とこども園の掲示板代金に充てられる。「これからも毎年続けていきたい」と笑顔を見せる。
17日に72歳となった山下建設の山下登也(たかや)社長(同市)は長年の友人である青柳さんに勧められ、昨年に引き続き来庁。72万円は中学校のドローン3台、小学校の電子黒板や書架の購入代金になる。山下さんも「1年間、元気でいられた証し」と朗らかだ。
不動産業「宝楽」(同市)の平津康成(こうせい)社長(52)=同市=と、鉄工業「住友テクノス」(同市)の住友達矢会長(51)=姫路市=は高砂ライオンズクラブで青柳さんと知り合い、今回から寄付の輪に加わった。2人の52万円と51万円は電子黒板やドローンの代金に使われる。
平津さんは「地域にお世話になった恩返しです」と謙虚に話す。住友さんも「青柳さんから奉仕の心を教えていただいた。先輩にならって今後も人のために役に立つことをしていきたい」と笑顔で話していた。