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 気になっていた兵庫県加古川市別府町の「別府鉄道」の看板。約40年前に廃線になったはずなのに…。

 同鉄道は1921(大正10)年、同町の多木製肥所(現・多木化学)が製品を輸送するために敷設した。車の普及や交通網の発達などの影響を受けて、84年1月に廃線になった。

 多木化学などによると、看板はかつて同鉄道の事務所があった場所にあり、現在は「別府タクシー」の敷地になっている。実は別府鉄道は鉄道業は廃業したものの、多木化学の子会社として同じ社名で不動産などを扱う会社として残っているという。

 同タクシーには、同鉄道への宅配物が間違って届くことがあるというが、今のところ看板の撤去予定はない。当面は鉄道の名残を伝えてくれそうだ。(宮崎真彦)