豪華な化粧まわしをつけた力士が並んだ土俵入り=SHOWAグループ総合体育館
豪華な化粧まわしをつけた力士が並んだ土俵入り=SHOWAグループ総合体育館

 大相撲の冬巡業「加古川場所」が11日、SHOWAグループ総合体育館(兵庫県加古川市西神吉町鼎)であった。同市での巡業は2019年の春以来6年8カ月ぶり。先月の九州場所で初優勝した新大関安青錦や横綱豊昇龍、同市出身力士の大辻ら103人が参加した。会場は観客5千人で満員御礼となり、間近で行われる取り組みに大きな声援が送られた。(宮崎真彦、斎藤 誉)

 体育館内に設けられた土俵上では、公開稽古に続いて、力士が歌う伝統的な「相撲甚句(すもうじんく)」や、禁じ手をコミカルに演じる「初切(しょっきり)」が披露された。拳での小突き合いを静観する行司に「止めろよ」と力士が突っ込む場面もあり、会場は大きな笑いに包まれた。

 土俵入りでは、豪華な化粧まわしの力士がずらりと並び、スマホで撮影する観客の姿が目立った。豊昇龍が四股を踏む場面では「よいしょー」と会場で声を合わせて盛り上がった。

 今回は地元出身の幕下大辻と十両大青山の取り組みが特別に実現。土俵に現れた大辻に、四方八方から「大辻!」「がんばれ!」などと大きな声援が送られた。名前入りのタオルを掲げて応援する熱心なファンもいた。

 取り組みを終えた大辻は「応援してくれる人が多く、頑張らないとあかんと思った。サインを求められたが、(関取から落ちて)サインができないので歯がゆい。十両を目指して頑張るしかない」と話した。

 県内出身の力士では、ほかに大翔樹(同県新温泉町)、恵比寿丸(神戸市北区)が登場した。

 加古川市の会社員男性は(55)は「地元開催なので楽しみにして来た。地元の力士の大辻を見守りたい」と話した。同県三木市の会社員男性(24)は「地方巡業は初めて。本場所よりも力士との距離が近くて楽しかった」と満足げだった。

 場内では力士のグッズや弁当売り場で長蛇の列ができ、会場周辺の道路でも渋滞が発生していた。