初めて大絵馬を手がけたイラストレーター寺原沙織さん(右)。ペガサスが飛び上がろうとしている=高砂市阿弥陀町地徳
初めて大絵馬を手がけたイラストレーター寺原沙織さん(右)。ペガサスが飛び上がろうとしている=高砂市阿弥陀町地徳

 迎春準備が進む東播地域の神社に絵馬の奉納が相次いでいる。来年の干支(えと)「午(うま)」にちなみ、幼児の愛らしい絵から、中学生やプロによる疾走感のある馬まで、趣向を凝らした絵馬が新年を待ちわびている。

■色鮮やかペガサス空へ 高砂・鹿嶋神社

 東播有数の初詣客が訪れる鹿嶋神社(高砂市阿弥陀町地徳)では、姫路市のイラストレーター寺原(てらばる)沙織さん(44)が初めて手がけた大絵馬が登場。空に飛び上がろうとするペガサスが色鮮やかに描かれている。

 寺原さんは今年1月、同神社そばのウエディングパレス鹿島殿1階のギャラリーで展覧会を開いた。画風にひかれた神社関係者から「なだらか参道 みどりの小径(こみち)」にある縦横約4メートルの大絵馬を依頼された。

 来春にも同ギャラリーで個展を開く寺原さんは「絵馬が神社や参道の発展につながれば」と話す。

 同神社では、ほかに本殿に大絵馬があり、地元のイラストレーター原恵理さんが手がける淡い色彩の特大絵馬も楽しめる。神社周辺は31日午後10時~1月3日午後10時に交通規制がある。(中川 恵)

■みなぎる躍動感、梅に映え 加古川・備後天満神社

 備後天満神社(加古川市加古川町備後)では18日、加古川中学校美術部の生徒らが作った巨大絵馬が披露された。今にも動き出しそうな馬が描かれている。

 縦約1・8メートル、横約2・7メートル。中心に大きな馬を配置し、その周りに神社がまつる菅原道真が愛したとされる梅を描いた。背景は馬が映えるように黄色く塗った。同部は毎年、絵馬を作っており、今回は1~2年の約20人が携わった。

 デザインを手がけた2年で部長の中村理央さん(14)は「馬の疾走感を出そうと、前足が見えるように意識した。新年に向けて『頑張ろう』という思いや、希望を感じてほしい」と話している。

(斎藤 誉)

■ちぎり絵に引き立つりりしさ 高砂・荒井神社

 荒井神社(高砂市荒井町千鳥2)には、同神社付属認定こども園「白兎(しろうさぎ)愛育園」の園児約100人が大絵馬を作って奉納した。

 毎年園児がちぎり絵で作る。今回も保育士がデザインし、りりしい表情の馬がたてがみを風になびかせている。庄村咲舞(えま)ちゃん(6)は「ペタペタ貼るのが楽しかった」と話した。

 奉納式は15日にあり、5歳児18人が出席した。園長で同神社の廣瀬元正宮司(45)が「来年は小学生。さらに頑張ってください」と声をかけた。百田衣吹(いぶき)ちゃん(6)は「走ることを頑張りたい」と話した。

 同神社では元日午前0時から甘酒や焼き芋の振る舞いがある。12日には午前8時半からとんど神事、同9時からえびす祭がある。岐阜県の切り絵作家による、干支にちなんだ切り絵の御朱印も頒布する。同神社TEL079・442・0658(中川 恵)