衆院選は、きょう投開票日を迎えた。厳冬期と重なり、投票率の低下が懸念されている。
物価高が長引く。年金や医療など社会保障への将来不安は根強い。地域では人口減と高齢化が加速し、世界各地で戦火がやまない。閉塞(へいそく)感が広がる中、12日間の選挙戦で問われたのは、政党や候補者が国民の不安にどう応えたかだった。
今回の選挙は、予期せぬことが次々と起こった。高市早苗首相による突然の解散表明に始まり、野党による新党の結成など異例の展開だった。争点は多岐にわたるが、超短期決戦で各党の公約や候補者の訴えを吟味できなかった人もいるだろう。
物価高対策が最大の争点とされるが、消費税減税や社会保険料の引き下げなど、耳当たりのよい主張を与野党がこぞって口にした。では、その財源はどう賄うのか、1千兆円を超える国の借金をどうしていくのか。痛みを伴う問題は先送りされたままだ。どの候補、政党が責任ある答えを示せたのか、有権者は見極めねばならない。
首相は「私が首相でいいのかどうか国民に決めてもらう」と述べたが、選挙は「推し活」でも人気投票でもない。どれほど支持率の高い内閣であれ、議論を尽くさずに数だけで決めることは許されない。
現政権を信任するにせよ、新しい政権を望むにせよ、大切なのは熟考して責任ある行動を取ることだ。無関心は政治が民意を軽んじる温床となる。
ただ、近年の国政選挙は投票率が伸び悩む。衆院選は5回連続で50%台にとどまり、特に10、20代は40%を下回る。「18歳選挙権」が実現して今年で10年になる。将来にわたって政治の影響を受ける若い世代が意思を示すかどうかは重みを増す。
1票では何も変わらないと考える人がいる。それでも前回衆院選や昨夏の参院選で与党が過半数割れしたのは、1票の積み重ねの結果にほかならない。
自分が感じる世の中への疑問や願い、重要だと思う課題で考えの近い人や政党を選べばいい。迷いつつも投じた1票が民主主義に力を与え、国のかたちを決める。白紙委任はしないとの意思を込め、主権者として「選ぶ責任」を果たす日にしたい。























