膨らみにくい米粉パンをふっくら焼く方法は-。加古川東高校(兵庫県加古川市加古川町粟津)の生徒が取り組んだ課題研究が、3月に東京であった日本生理学会大会の高校生発表で最優秀賞を受けた。膨らみにくく硬くなるという米粉パンの弱点を、生地のpH(水素イオン指数)を変えることで解消できると立証した。校内でも高評価を受け、今夏の全国大会「SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)生徒研究発表会」に参加が決まった。(中川 恵)
理数科化学B班の太田創一朗さん、角谷(かくたに)杏さん、杉山花音さん、當舎輝憲(あきのり)さん、藤原まさみさんの5人が2年生で取り組んだ。研究は昨春、藤原さんが「米粉パンを家で焼いたら膨らまない。改善したい」と話したことを機に始まった。
パンが膨らむのは、小麦に含まれるグルテンが、イースト菌が出す二酸化炭素(CO2)を保持するからだが、グルテンのない米粉パンは膨らみにくい。生徒は、米粉に含まれるデンプンの「アルカリ糊化(こか)」に注目した。強アルカリ下でデンプンの構造が壊れ、粘度が上がり、気体の保持力が上がる現象だ。ただ、強アルカリ下ではパンを膨らませるイースト菌の働きが鈍るという難点があった。
「アルカリ糊化した後、イースト菌が働きやすいpHに変えれば両立できるのでは」-。仮説を立証するため、異なるpHでパンを焼き、焼き上がりを比べると両立することが判明。さらに、本当にアルカリ糊化が起きたのかを数値で表すために、別の実験も行うと、水分が抜けてパンが硬くなる「老化」も抑制できることが立証できた。
課題研究の校内発表は今年1月末。実験を終えた12月中旬以降は、結果のまとめ方にこだわった。太田さんは「人に伝えることがこんなに大変だとは思わなかった」と振り返る。校内の発表会で1位となり、全国大会への参加が決まり、日本生理学会大会でも賞を受けた。
一つのテーマを追究していると、真剣さゆえに班内で衝突が起きることもあった。そんな中でも協調性を維持できたことに、杉山さんは「みんなのおかげ。メンバーに恵まれた」と話した。
























