内閣府は18日、2026~30年度の科学技術政策の指針となる「第7期科学技術・イノベーション基本計画」の骨子案を専門調査会に示した。「国家安全保障政策との有機的な連携」を柱の一つとし、関係府省で体制の検討を進める。軍民で利用可能な「デュアルユース」技術の研究開発や、政府が選定した特定分野への投資集中が進む可能性もある。成案を今後まとめ、本年度内に閣議決定する。
科学技術は「国力の源泉」で、国家安全保障の目標達成に不可欠だと位置付けた。人工知能(AI)や量子、半導体などの重要技術に関し、経済安保の視点も入れた政策提言をする研究所を設置。海外への技術流出防止にも取り組む。委員からは安保に関し「学術界で何が貢献できるか明記すべきだ」などと肯定的な意見が相次いだ。
政府の諮問機関、総合科学技術・イノベーション会議については、調査・分析のほか、重要技術の特定と優先順位付けなど、司令塔機能を強化する方針を示した。防衛省の安全保障技術研究推進制度を批判する声明を発表するなどした日本学術会議への言及はなかった。