【エルサレム、ラマラ共同】「世界はまだ、ガザを覚えていた」。フランスや英国、カナダなどによるパレスチナの国家承認の動きが続く中、パレスチナ自治区ガザの住民からは23日、承認を評価しつつ「戦闘終結につながってほしい」との声が上がった。ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラでは、承認だけではガザの状況は変わらないとの見方や、遅すぎるとの声もあった。
「ガザの全ての人々の願いは戦闘停止だ」。イスラエル軍が地上侵攻する北部ガザ市のムハンマドさん(24)が電話取材に訴えた。各国の国家承認について「前向きだ」とする一方、戦闘が停止しなければ「価値がない」と訴えた。
2023年10月に始まったガザ戦闘は2年近く過ぎても終結の道筋が見えていない。「世界から忘れられたと感じていた」というムハンマドさんは、戦闘で自宅が破壊され、イスラエル軍の攻撃で父親を亡くした。「国家承認で父が戻るわけではない」とも述べた。
戦闘中に娘を亡くしたガザ市のイスラムさん(36)は「日々の食べ物も見つけられない」と語った。