兵庫県議会の自民党会派に所属する松井重樹県議(71)=たつの市・揖保郡選出=が、虚偽の申請でホテルの宿泊費などに政務活動費(政活費)を充てたとして、議長に議員辞職願を提出したことが分かった。23日の主要会派による県議会代表者会議で説明した。松井氏は宿泊費や交通費約180万円を返還する意向を示している。
松井氏によると、県職員から「レクチャー」を受けるため、前日に神戸市中央区のホテルに宿泊したと収支報告書に記載した中に、実際は職員に面会していないケースが混在していたという。代表者会議終了後、報道陣の取材に応じ「うそをついた認識はない。当時の手帳が水没したので、突き詰めると分からない」などとする一方、「説明のつかない使い方があった」と謝罪した。
県職員との面会のため前泊したとするケースは、報告書の公開対象の2020~24年度の5年間に100泊超あるという。いずれも同市中央区のホテルで、交通費を含めた全額を一括返還する。正確な金額は今後、自民会派が精査して確定するという。
19年度以前に同様の支出があったかどうかについて「ある意味、いつからでもそうだった」と述べた。
同日の代表者会議では、他の議員にも不適切な宿泊費の支出がないか早急に調査する方針を決めた。辞職願は24日の県議会本会議で議決される見通し。
松井氏はたつの市議などを経て17年の県議補選で初当選し、現在3期目。8月の県議会総務常任委員会で、斎藤元彦知事をやゆするような発言をしたとして謝罪していた。(井上太郎、村上貴浩)