【ニューヨーク共同】ロシアのラブロフ外相は27日、国連総会一般討論で演説した。ロシアによる欧州各地での領空侵犯を巡り、欧州を攻撃する意図はないと説明。ロシアの挑発行為だとして警戒を強める欧州側との衝突は望んでいないが「わが国へのいかなる侵略行為にも断固たる対応を取る」とけん制した。
ウクライナとの停戦交渉については、8月に米アラスカ州で実施された米ロ首脳会談以降、米ロの対話が続いていくことに「一定の期待を抱いている」と述べた。
一方、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大阻止やウクライナでのロシア語話者の権利保障などが和平の前提だと改めて主張。NATOは南シナ海や台湾海峡にも影響を及ぼし地域の脅威になっていると批判した。
ラブロフ氏は演説後に国連本部で記者会見し、ロシアの無人機などが領空や領土内で撃墜された場合は「深く後悔することになる」とし反撃を示唆。領空侵犯が続けばロシア軍機撃墜などを含む対応を検討しているとされる欧州側を警告した。