静岡県長泉町の静岡県立静岡がんセンターで、県東部の80代男性が先端医療機器を用いた高額ながん検診を受けたのに、肺の異常が見落とされ肺がんで死亡したのは医療過誤だったとして、遺族が30日、センターに約3750万円の損害賠償を求め、静岡地裁沼津支部に提訴した。

 訴状などによると、男性は2020年10月1日、センターで「マルチスライスCT」という高性能な機器を用いたがん検診(費用約9万円)を受診。肺に最大10ミリを超える腫瘤が見られたのに「特段の異常所見なし」と告知されて肺がんの発見が遅れ、21年9月に死亡したと主張している。