2学期が始まり、早くも1か月が過ぎようとしています。この時期には公立高校の志願状況が発表となり、いよいよ入試が近づいてきたと実感する受験生も多くなることでしょう。そこで一番気になるのは内申点(調査書)です。兵庫県の入試制度において、特に一般入試では内申点がある程度確保できないと合格が難しくなります。そこで今回は内申点の上げ方について3つほどポイントを紹介していきます。
■「メタ認知」を高めよう
1つ目のポイントは何と言っても「授業態度」です。
通知表は生身の人がつけます。ひいきされるためにやる必要はありません。しかし、授業中の発表、普段からの挨拶など、先生の視点で自分の行動を見つめ直したときにどうなのかを考えることは大切です。
そのために必要な力が「メタ認知」です。メタ認知とは、日々の自分の行動を高い次元から客観的に捉えて把握し、改善を図ったり、調整したりする脳力のことを言います。
受験生はぜひ、このメタ認知を高めることを意識して生活してみてください。そうすることで日々の授業態度も大きく変わると思います。
もちろん受験のためだけではありません。将来、仕事で知らない人たちと協働をするときにも、きっと役に立つでしょう。
■復習の習慣をつけよう
2つ目は「テストの点」と「提出物」です。
まずはテストについてです。特に2学期は、実力テストのタイミングだけでなく、定期テストの中でも実力を問う内容を出題する学校が増えてきます。
ここでいい結果を出せば、1、2年生の内容もきちんと理解しているという評価につながります。新たに学習していることはもちろん、既に習っている内容も日々きちんと復習していきましょう。
次に提出物についてです。提出物は気持ちを込めて仕上げることが大切です。保護者や宿題代行業者に依頼する人がいるようですが、ほとんどの場合、先生はそれを見抜きます。
下手でも気持ちを込めて丁寧に仕上げれば、その思いは必ず先生に伝わります。通知表を4にしたい、5にしたいという熱意を持って提出物を仕上げてください。
■志望校へ強い思いを持とう
最後は「絶対に内申点をアップさせるぞ」という本人の心です。
心理学者のウィリアム・ジェームズの言葉に「心が変われば、行動が変わる。」があります。過去の様々な偉人が同様の言葉を残しています。
この高校に行きたい、そのためにはこの内申点は必ずクリアする、という強い意志が、未来を変えていきます。
そのためにオープンハイスクールに参加し、半年後の自分を明確にイメージすることが大切です。
オープンハイスクールまで待てなければ、土日に公共交通機関で学校周辺を訪れてみるのもいいでしょう。通学、校舎、部活に来た先輩の雰囲気を味わって、「ここに行きたい」と思えたら素晴らしいことです。勉強が自分事となることで、成績アップもより早くなるでしょう。
進学希望調査がもうすぐ発表されますが、それを見ても自分がどの位置にいるかわかりません。調査結果に一喜一憂することなく、まずは第一志望の挑戦権を得るために、自分ができることにしっかりと取り組んでください。そうすれば道は開けてきます。子どもたち一人ひとりが、自分の未来のために学習してくれることを願っています。
<執筆者>株式会社創造学園常務取締役・手嶋孝紀
兵庫県を中心に100教室以上を展開する株式会社創造学園の総合進学塾エディック・創造学園にて教室責任者、学区責任者、研修、教務など、あらゆる部署を歴任し、教育現場から経営まで幅広い経験を積む。現在は常務取締役として教務のみならず会社全体を統括しながらも、「教務のトップである限り現場を離れない」という信念を貫いている。どれほど多忙でも教壇に立ち、生徒と共に学ぶ姿勢を崩さない。その現場での気づきが、新しい教材や指導法の開発へとつながり、創造学園全体の教育力向上を牽引している。