鹿児島県・奄美大島沖のEEZで確認された中国調査船「向陽紅22」=13日
 鹿児島県・奄美大島沖のEEZで確認された中国調査船「向陽紅22」=13日

 鹿児島県・奄美大島西方の排他的経済水域(EEZ)で9月下旬以降、中国の海洋調査船による調査とみられる動きが繰り返し確認された。日本の同意を得ていないとして、日本政府は外交ルートを通じ抗議。中国側の狙いは不明だが、軍事行動を見据えた情報収集との見方もある。第10管区海上保安本部(鹿児島)は、異例の活動として警戒を強めている。

 中国船「向陽紅22」が活動したのは、奄美大島の西380キロほどの、東シナ海のほぼ中央部。日本がEEZの境界とする日中中間線の日本側で、パイプやワイヤのような物を海中に延ばす様子を9月28日~10月13日、少なくとも計7回、海保の巡視船が確認した。

 14日には、別の調査船が同県・徳之島の西約215キロのEEZで活動しているのも確認された。

 中国はEEZ境界について中間線より東側と主張しており、今回活動した海域は中国側主張のEEZに当たる。日本政府は中間線より日本側での海洋調査には事前申請が必要だとしているが、10管によると今回、中国側から連絡はなかった。