イモを海水で洗って食べるサルが生息することで有名になった宮崎県串間市の無人島、幸島で3日、サルの生態を学ぶ観察会が開かれた。京都大野生動物研究センターの幸島観察所が主催し、県内外から15人が参加した。体重測定やイモ洗いの様子を見学し、普段サルが暮らす林内を散策した。
参加者らが見守る中、観察所の鈴村崇文さん(51)らがサツマイモを与えると数匹のサルが水際まで運び、転がすように洗ってから口にした。近年は年に1、2回しか与えないため、イモを洗う個体は減少しているという。
福岡県春日市から夫婦で訪れた中村浩光さん(65)は「イモ洗いを目の前にして感動した。動物園では見られない野生の習性を学ぶことができた」と笑顔で話した。
幸島は市の沖合約200メートルに位置する。霊長類の研究で先駆的な役割を果たした京都大名誉教授の故河合雅雄さんが、幸島のサルのイモ洗い行動について論文を発表してから、今年は60年の節目となる。人間以外の霊長類にも文化的行動が存在することを証明し、研究は国際的にも注目された。

























