紛失防止タグはインターネットや家電量販店で、数千円程度で購入でき、手軽に利用できるため近年普及しているが、ストーカーなどの犯罪への悪用も目立つ。居場所を突き止めようとする加害者は相手への強い執着を抱え、危害を加える恐れがある。警察庁の担当者は「法改正でストーカー行為の“抜け穴”をふさぎたい」と話す。
タグは近距離無線通信「ブルートゥース」を使い、スマートフォンと連携して位置を特定する。2021年施行の改正ストーカー規制法で衛星利用測位システム(GPS)を無断で取り付ける行為が規制されたが、タグ自体が位置情報を発信しないため、規制の対象外だった。
タグは500円玉大のサイズで、荷物に忍ばせても見つかりにくい。本来は落とし物をしても見つけやすくする目的で財布や鍵などの貴重品に取り付けられるが、その便利さに目を付ける加害者もいる。
同庁によると、滋賀県で22年、男が知人女性の車に自らの車を衝突させ、女性を連れ去ったとして、監禁容疑で現行犯逮捕された。男は女性の車にこっそりタグを取り付け、位置を調べていた。
























