クマ被害が深刻化する中、オオカミに似せたユニークな撃退装置「モンスターウルフ」が注目を集めている。一見「子供だまし」のような見た目だが、大音量と発光ダイオード(LED)による撃退効果への期待から、最近は問い合わせが3倍に増えた。開発した北海道奈井江町の会社は「クマが近寄らないことには自信がある」と話す。
「おまえだけは許さない」「ワーオーン」。赤外線センサーで近くに動物を感知すると、オオカミを模した頭が左右に動いて、目が赤く、前後のLEDが青く点滅する。音は動物が嫌がる鳴き声やセリフを約50種類集め、慣れさせないようにランダムに回す。音量は車のクラクションと同じくらい。フリー素材や人工知能(AI)で作った音だ。金属加工業太田精器の太田裕治社長(67)は「クマは単独行動で警戒心が強い。大きい音がすると何かいると思って近づかなくなる」とみる。
約20年前から自社オリジナルの製品開発を目指し、ウルフは2016年に完成したが、害獣対策は電気柵が主流で、売り込んでも姿や形から「ばかばかしい」と鼻で笑われたという。
























