午前9時のスタートから7時間の制限時間が迫る中、ハウスクリーニング店を経営する秋本卓治さん(36)=神戸市長田区=が最終走者の一人としてフィニッシュし「諦めなかったらできるんやな」とやり切った表情だった。
昨年、仕事関係の知人に誘われて神戸マラソンに初挑戦したが、25キロ近くで脚をつってリタイア。帰りの電車でランナーたちが見え「完走したかった」と悔しさをかみしめた。
リベンジを誓った今年は、仕事が忙しくトレーニングできておらず、不安を抱えてのスタートだった。昨年、序盤でスピードを上げ過ぎたことを反省し、ペースを落とすことを心がけたが、今回も同じ地点で両脚の前ももがつった。
完走を諦めかけたが、沿道の声援や、30キロ付近から一緒に走った女性と励まし合うことで歩みを進めた。フィニッシュ後、「これが欲しかった」と完走したランナーだけがもらえるフィニッシャータオルを笑顔で受け取ると、「年に1回、神戸のまちを走るのもいいかな」と来年の参加にも前向きだった。(尾仲由莉)























