記者会見で謝罪する岐阜県総合医療センターの桑原尚志院長(左)ら=20日午後、岐阜市
 記者会見で謝罪する岐阜県総合医療センターの桑原尚志院長(左)ら=20日午後、岐阜市

 岐阜県総合医療センター(岐阜市)は20日、喉に装着していた気道を確保する管が外れ入院中の女児(3)が死亡した医療事故について、異常を知らせるアラームが作動しなかったことなどが原因とする調査委員会の最終報告書を公表した。「十分なモニタリング体制がとれていれば患者が亡くなることはなかった」とした。

 記者会見した桑原尚志院長は「深く反省し、安全対策に取り組む。遺族には心よりおわび申し上げる」と述べた。

 報告書によると、女児は昨年6月にセンターに入院し、気管切開の手術を受けて管を装着。回診中の医師が7月下旬、何らかの原因で管が外れ心肺停止状態になっているのを発見し、8月下旬に多臓器不全で亡くなった。

 事故が起きた時間帯は、血中酸素濃度を計測するパルスオキシメーターのセンサーが外れていたのにアラームが鳴らなかった。

 担当看護師が女児の世話中にアラームが頻発していたため、ナースステーションで別の人がモニタリングを中断する操作をしていた。こうした行為は担当看護師に伝わらず、事故直前に出勤した他の人も気づかなかった。