大学の技術職員数と教員数の推移
 大学の技術職員数と教員数の推移

 電子顕微鏡や質量分析装置など、大学が持つ高度な研究機器の操作や維持管理を主に担う「技術職員」が2004年度から20年間で15%減ったことが2日、分かった。文部科学省の学校基本調査を共同通信が分析した。対照的に、教員数は21%増加。国立大で教員の採用増を優先し待遇の改善が遅れたことや、私立大などで研究から教育へ軸足が移ったことが影響したとみられる。

 技術職員が不足すると、大学院生や若手教員が機器を扱う傾向が強まる。研究の立案や議論、論文執筆の時間が削られるほか、最先端の機器の性能を生かし切れず、日本の研究力低下の一因となっている可能性がある。

 文科省によると、技術職員は1970年代には既に減少傾向が始まっていた。2004年の国立大法人化を機に各大学が採用増に動くとの期待も政府内にはあった。だが実際は04年度の1万783人が、24年度には9195人に減った。一方、教員は15万8770人から19万2531人に増えている。

 国立大の技術職員は20年間で7%減。公立大は41%減、私立大は34%減と減少幅が大きい。