日本原燃の使用済み核燃料再処理工場=2023年11月、青森県六ケ所村(共同通信社機から)
 日本原燃の使用済み核燃料再処理工場=2023年11月、青森県六ケ所村(共同通信社機から)

 青森県東方沖で8日に発生した最大震度6強の地震では、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(同県六ケ所村)で核燃料を保管するプールから水があふれ出た。福島県に津波注意報が出たことを受け、東京電力は福島第1原発(同県大熊町、双葉町)の処理水海洋放出を一時停止した。原子力規制庁は、いずれも「安全上、問題はない」としている。

 今回の地震を受けて発表された北海道・三陸沖後発地震注意情報の対象となる道県にある原子力施設で他に目立ったトラブルはない。東日本の原発で唯一稼働している東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機は運転を継続した。

 六ケ所村は震度5弱を観測。再処理工場のプールの水面が波打ち約650リットルがあふれた。水は建屋内部にとどまり9日午前までに回収を終えた。

 東電は第1原発の処理水放出設備に影響が出そうな自然災害が起きた際、運転員が手動で放出を止める運用をしている。8日深夜に停止し、設備点検を経て9日午後に再開した。福島第1原発と福島第2原発(福島県富岡町、楢葉町)に新たな異常はなかった。