高市早苗首相(自民党総裁)は衆院選の公約に、物価高対策として飲食料品は2年間に限り、消費税の対象外にすると掲げた。ただ、昨年の一時期、消費税減税に慎重論を唱えた経緯がある。「変節」したとも受け止められ、選挙戦で整合性が問われそうだ。
「私自身の悲願だった」。首相は衆院解散を表明した19日の記者会見で、飲食料品の消費税率ゼロを公約に明記する考えを示した。社会保障と税の一体改革を議論する「国民会議」で検討を加速するとも表明。年約5兆円が必要とされる財源については「特例公債(赤字国債)に頼らない」と述べるにとどめた。
食品税率ゼロは持論だった。昨年5月、消費税に関する党内勉強会では「国の品格として食料品の消費税率は0%にすべきだ」と主張したと記者団に説明した。
だが9月、党総裁選への出馬を表明した記者会見で「物価高対策として即効性はない」と軌道修正。総裁選中も「党内の意見集約ができなかった。私の意見は撃沈した。党内で練り直すことも大事だ」と語っていた。
首相就任後の昨年11月、衆院代表質問で立憲民主党の野田佳彦代表から食品の税率ゼロを実現しようと呼びかけられても「事業者のレジシステムの改修などに一定の時間がかかる」と慎重だった。
こうした姿勢を一転させ食品税率ゼロを打ち出した背景には、急きょ衆院解散を仕掛けたものの立民、公明両党が新党「中道改革連合」を結成し、食品消費税の「恒久ゼロ」を掲げた事情があるとみられる。似通った公約による「争点つぶし」の狙いがありそうだ。
ただ、財政悪化への懸念から長期金利が上昇するなどの影響が出ており、自民内には「税率は維持すべきだ」との声が根強い。公約には「検討」の一言が残っており、実現には曲折が予想される。























