薬害エイズ訴訟で国と製薬会社が責任を認め、謝罪した1996年の和解成立から来年3月に30年となるのを前に、厚生労働省で25日、エイズウイルス(HIV)感染被害者の男性が自らの体験を職員に語った。男性は「命を守るという絶対的な正義が残ってほしい」と職員に求めた。
講演したのは、花井十伍さん(63)。血友病と診断され、1980年代に血液製剤によってHIVに感染した。訴訟原告団に加わり、薬害根絶に関わった歩みを振り返り「提訴時は自分も数年で死ぬと思っていた。行政職員は医療現場を知ることが大事」と訴えた。
血友病患者が使用する血液製剤にHIVが混入し、投与された1400人以上が感染、約700人が亡くなった。
























