核兵器廃絶などを訴えるイラストレーターの黒田征太郎さん=21日、北九州市
 核兵器廃絶などを訴えるイラストレーターの黒田征太郎さん=21日、北九州市

 核兵器廃絶などを訴えるイラストレーター黒田征太郎さん(87)=北九州市=が、自身の戦争体験と、1954年に太平洋上で米国の水爆実験により被ばくした漁船を題材にした絵本「第五福竜丸とボク」を作った。福岡市の石風社が8月に出版する。黒田さんは「子どもたちに読んでもらい、命に対する想像を組み立ててほしい」と話す。

 45年、当時住んでいた兵庫県西宮市で空襲に遭い、広島市に疎開した友人を広島原爆で失う。絵本の「ボク」は、黒田さんと同様の体験をたどり、16歳で米軍関係の運搬船の船員となる。

 絵本では航海中、嵐に見舞われ「いつのまにか」運搬船が第五福竜丸に変わる。「ボク」は54年3月1日、ビキニ環礁での水爆実験に巻き込まれる。

 黒田さんは96年、東京都立第五福竜丸展示館で船と対面。ビキニ事件を「忘れてはいけない」と考えるようになり、展示館で制作活動を行うなど関わりを持ってきた。

 第五福竜丸は47年建造。2025年末、知人が撮った船首の写真を見て「老人仲間だ」と感じ、絵本作りを促された気持ちになったという。