半球状の薄皮にあんがたっぷり詰まったぱんじゅう=北海道小樽市
 半球状の薄皮にあんがたっぷり詰まったぱんじゅう=北海道小樽市

 今川焼きに似た「ぱんじゅう」は、かつて北海道小樽市で港湾や鉄道の肉体労働者を支えた名物だ。たこ焼きより一回り大きい半球状の薄皮にあんがたっぷり詰まり、全国各地で親しまれていたとされる。栃木県足利市や三重県伊勢市にも存在しているが、その「ハイカラ」の味は今、小樽から姿を消しつつある。

 北海道の銘菓を解説した「ほっかいどうお菓子グラフィティー」(亜璃西社)の著者塚田敏信さん(76)によると、ルーツは諸説ある。1901(明治34)年に東京・神保町で創業し、伊勢に移った「総本家七越」が支店を広げて販売した、大正期に銀座でパン屋を営む「柴山久喜」なる人物が地方へ広めた…。

 一時は全国に広まったが、現在もぱんじゅうの名が残る地域は限られる。北海道や栃木、三重にも同様の菓子がある一方、富山、長野両県の一部地域で見られるものは今川焼きの形をしているという。塚田さんは「本来の形は何だったのか。謎が多い」と頭を悩ます。