気象庁は、九州北部を除き梅雨明けしたとみられると発表した。兵庫県内ではすでに猛暑が続き、15日以降は連日のように熱中症警戒アラートが発表されている。救急搬送も10~16日の1週間に全国で8189人に上った。8月上旬までは最も暑い時季であり最大級の警戒が必要だ。
熱中症は、屋外での活動のみならず屋内でも多発している。高齢者はのどの渇きを感じにくく、症状悪化が懸念される。気温や湿度が高ければ夜間もクーラーを使ってほしい。
やっかいなことに、今夏も新型コロナウイルスの流行が拡大し「第9波に入った」とする見方もある。
厚生労働省は、全国約5千の定点医療機関から10~16日に報告された新型コロナ感染者数が5万4150人に上り、1定点医療機関当たり11・04人だったと発表した。5類移行後は9週連続で増加し、移行直後と比べ4・20倍となった。
一方で現在、流行しているとされるオミクロン株の派生型「XBB」は、ワクチンによる免疫をかいくぐりやすいとされる。国や県などは警報などの形で注意喚起するべきだ。
帰省で親戚が集まった際などは、冷房を入れて熱中症を防ぎつつ、定期的に窓を開けて換気をしてほしい。新型コロナ対策で最も大切なのは、高齢者や持病のある人を感染から守ることである。
この夏は新型コロナをはじめ子どもの感染症が目立っている。
兵庫県がまとめた10~16日の定点観測結果によると、新型コロナの感染者は19歳以下が47%に上る。夏休みで帰省したり旅行したりする前に家族で検査を受けるのが安心だ。
コロナ以外の感染症にも注意せねばならない。コロナ禍の3年余りは、マスクや手洗いの徹底で感染症の流行が抑えられた。その分、免疫がなくなり感染が広がっている。
風邪に似た症状のRSウイルスは本来は冬に流行するが今年は夏に再拡大し、兵庫県では1医療機関当たり3・56人と高水準が続く。乳児が感染すると重症化する恐れもある。
夏風邪「ヘルパンギーナ」も流行し、兵庫県では1医療機関当たり4・43人を数える。県南部を中心に警報レベルの発生状況となっている。
多くの小児科で患者が急増し、予約を取りにくい状況という。兵庫県感染症対策課は、子どもを受診させる目安として、38度以上の発熱▽嘔吐(おうと)を繰り返す▽小便の回数が極端に少ない-などの症状を挙げる。重症化の兆候がある場合、救急車の要請もためらうべきではない。
いずれの感染症も、手洗いなど基本的な感染対策が有効なのは変わらない。新型コロナの経験値を生かしこまめな対応を心がけたい。
























