2024年衆院選で自民系、立民候補が対決した兵庫の小選挙区
2024年衆院選で自民系、立民候補が対決した兵庫の小選挙区

 公明党が自民党との連立政権から離脱し、立憲民主党と新党「中道改革連合」を結成したことで、これまで与党候補者を支えてきた「公明票」の行方に注目が集まっている。前回2024年衆院選の投票結果と神戸新聞社の出口調査データをもとに、兵庫県内12小選挙区の「公明票」を試算。自民候補がすべて失えば当落結果に影響する可能性もあり、激しい選挙戦が予想される。

 自民、公明は連立政権のもとで選挙協力を行い、小選挙区のすみ分けと、候補者の相互支援を続けてきた。24年衆院選は兵庫12小選挙区で、自公の与党系が10勝、立民が2勝だった。

 試算では、出口調査で選挙区の投票先に与党系候補を選んだ有権者のうち、「普段の支持政党」を「公明」と答えた割合を算出、与党系候補の得票数に掛けて「公明票」とみなした。投票日当日と期日前は投票行動に差があるため、当日と期日前全体の投票者数に応じて得票数を案分、それぞれ算出して足し合わせた。

 自民系候補が出た10選挙区の「公明票」は7千~1万2千票台だった。これを自民系候補の得票からすべて差し引くと、7区で自民の山田賢司氏が日本維新の会の三木圭恵氏と横一線に並んだ。

 さらに立民候補に流れたと仮定した場合、9区では、自民の派閥裏金事件を受けて無所属だった西村康稔氏が立民の橋本慧悟氏に逆転を許す結果となった。

 自民候補の当落が変わらなかった選挙区でも、比例復活の鍵を握る惜敗率が大きく変化した。

 4、5、10区でいずれも次点だった立民候補は60%前後から20~25ポイント程度上昇。逆に立民候補が勝利した1、6区では、自民候補がそれぞれ15、20ポイント程度を落としており、比例復活の議席に大きな影響を及ぼした可能性がある。

 前回、立民候補が出なかった3、11、12区は25日時点で、中道からの候補者は不在となっている。

 地方レベルで自公の協力関係が続くケースもあるとみられるが、自民にとってかつての基礎票が見込めるかは不透明だ。

■公明が撤退する2、8区は?

 一方、2、8区は、公明候補の前回得票約7万票のうち、「公明票」はそれぞれ2万1千票台。同様の方法で試算した「自民票」は2万3千票前後との結果だった。

 さらに、公明の候補者以外に投じた有権者のうち、自民支持者はそれぞれ1万人以上いたと推計された。自民は2、8区で独自候補を立てなかったため、一定程度の「自民票」が維新をはじめ他候補に分散したとみられる。

 今回、2、8区は公明が撤退。自民系、中道ともに新人候補が名乗りを上げ、自民と連立を組む維新も前職が議席確保を狙う。有権者の投票行動は読み切れず、接戦が展開されそうだ。(若林幹夫)